裂肛(切れ痔)

お尻の病気

代表的な肛門疾患として、裂肛(切れ痔)に関して、詳しく説明します。

裂肛は肛門管に裂創を生じた状態を指します。
原因としては、排便による肛門に対する機械的外傷が挙げられ、裂肛の好発部位である肛門後方が血流が少ないこと影響していると言われます。一般に、便秘に伴う硬い糞便による損傷が考えやすいが、慢性的な下痢は、下痢便が勢いよく繰り返し排泄されることから、肛門粘膜の損傷に繋がりやすいとされ、こちらも注意を要します。

裂肛は、肛門管を損傷する急性裂肛と、急性裂肛を繰り返すことにより起こる慢性裂肛に分けることができます。慢性裂肛は肛門管の損傷部位に潰瘍を形成し、進行すると、肛門の狭窄化(狭くなること)を生じたり、裂肛部から感染を生じ、痔瘻の原因となることがあります。

 


☆症状
裂肛の症状は、排便時の出血と疼痛、肛門狭窄があります。
疼痛は、排便時のみで、すぐに治まるものから、慢性化することにより、排便から数時間にわたる持続性の痛みまで様々で、痔瘻を形成することで、慢性的な痛みとなることもあります。また、肛門狭窄が高度になると、排便困難を来すこともあります。
慢性裂肛のでは、しばしば、肛門から見張りいぼと呼ばれる突起物が脱出することもあり、『肛門科 から何かが飛び出してきた。』と訴えて、来院される方もいます。

☆治療法
急性裂肛は排便状況の改善と外用薬による治療で改善することがほとんどです。便秘や下痢を改善するための指導を行い、必要に応じ整腸剤や緩下剤などの内服薬を処方します。
慢性裂肛で、痛みが強く、慢性的な場合は、鎮痛剤の投与を検討します。
これらの治療を行ても改善できない裂肛は手術的療法を検討します。特に、高度な肛門狭窄を伴った裂肛や難治性潰瘍を形成したり、痔瘻を合併した裂肛は手術的療法を選択することとなります。

裂肛(切れ痔)の症状や治療法に関して、簡単にご説明しました。
裂肛は安易に考えられやすい肛門疾患です。しかし、正しく治療されないと慢性化することが多く、治療に難渋することも多い疾患です。専門医と相談し、適切な治療法を選択することが重要です。

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