痔瘻(あな痔)

お尻の病気

代表的な肛門疾患として、痔瘻(あな痔)に関して、詳しく説明します。

痔瘻は肛門周囲膿瘍と密接に関連しています。肛門周囲膿瘍とは、肛門管にある肛門陰窩に、糞便が侵入し感染が起こり、肛門周囲に膿瘍(膿のたまり)を形成した状態を言います。膿の量が増えると、膿瘍は周囲の組織を破壊しつつ、広がり、痛みや発熱など症状が出現します。最終的に膿瘍が破れ、膿があふれ出したり、痛みなどで受診された際に、病院で膿瘍にメスを入れ、膿を出す穴をあけたりします。


痔瘻(あな痔)は肛門周囲膿瘍から膿が出切り、炎症反応が落ち着くことで、最初に感染した肛門陰窩と膿が出た穴を結んだ繊維性の管(瘻管)が形成され、この管(瘻管)を痔瘻(あな痔)と言います。

 

 

 

☆症状
肛門周囲膿瘍は、38℃以上の発熱や激しい肛門部の痛み、腫れがみられます。痔瘻は、膿が出て下着が汚れることがあり、膿の出口がふさがると、再び膿がたまり、肛門周囲膿瘍と同じ症状になります。

☆治療法
肛門周囲膿瘍に対しては、膿のたまりを切開し、膿を出す治療を行います。十分に膿を出し切ることが重要で、ドレーンと言う管を膿のたまりに入れることもあります。これらの処置は、基本的に外来で行うことができますが、深い部位に膿がたまる高位筋間膿瘍などの場合は、入院での処置が必要となることがあります。
肛門周囲膿瘍から、瘻管が残り痔瘻に移行するのは約4割程度の患者さんです。痔瘻には根治手術を行います。手術法には切開開放手術、括約筋温存手術、シートン法などがあります。

痔瘻(あな痔)の症状や治療法に関して、簡単にご説明しました。
痔瘻は病態が複雑で、適切な治療を行わないと再燃しやすい疾患です。専門医と相談し、適切な治療法を選択することが重要です。

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